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第33号議案 「名誉区民の選定について」同意に反対する討論を行いました(小林ひろみ)
2023.07.10
録画中継はこちら↓ 録画配信 (kensakusystem.jp)

私は日本共産党豊島区議団を代表して、ただいま議題となっております、第33号議案「名誉区民の選定について」、同意に反対する立場から討論を行います。

ただいま高際区長より、前区長高野之夫氏に名誉区民の称号を贈ることの提案がありました。
これまで、名誉区民の選定において、日本共産党区議団は政治家以外の文化・芸術関係の候補者については、すべて同意してまいりました。

しかし、そもそも政治家は選挙でえらばれるものであり、実績、政策等について、大きく評価の分かれる立場の人物です。そのような人について名誉区民の対象とすることはふさわしくないと考えており、これがこの問題での大きな観点であります。高野前区長が2月9日亡くなられたことに、改めて哀悼の意を表します。しかしながら高野前区長については、その区長在任中その職務において重大な禍根を残し、現在も禍根の深さがますます明らかになっているものがあります。

その第一は豊島区のまちづくりの最重要問題について、一貫して大企業本位の再開発、住民追い出しの再開発に終始してきたことです。東池袋周辺での市街地再開発事業、新庁舎建設のため旧日出小跡地で再開発を行いました。新庁舎建設の財源対策に191億円を得るためとして、また賑わいを作るとして旧庁舎跡地を大企業にさし出しました。修繕の必要のない中池袋公園は、わが党の反対を押し切ってトイレをなくしカフェを作る大規模改修を行ったのでありますが、結局近隣住民からの要求があり、とうとうトイレを設置することになりました。さらに、現在は、南池袋2丁目C地区において住民を追い出し、保健所と合築で高層マンション建設をすすめ、東池袋一丁目再開発、池袋西口再開発などを池袋駅周辺で進めています。

その第二は、財政危機を乗り越えるとして、貴重な区有地である時習小学校の跡地を売却したり、23区で統一となっている職員給与を豊島区だけ下げたり、正規職員の採用を停止、度重なる定員管理計画で正規職員を削減、抑制してきたこと、施設の統廃合、民営化をすすめたことです。現在の豊島区正規職員では30代後半から40代の職員が少ないという状況になり、福祉など区民と直接に接する現場も少なくなってきたことから、業務スキルの継承が困難で、区民サービスの低下になっています。また残業の多い職場が見られますが、これも人手不足が一つの理由です。

日出小学校跡地への新庁舎建設、時習小跡地の売却により、現朋有小学校等周辺学校の建替えのための仮校舎用地がなくなりました。建替えができない中で、この周辺では大型開発が続き予想される入学児童の増加に見合った普通教室の確保が課題となってきました。朋有小学校ではようやく総合体育場の管理棟の建替えとの合築で特別教室を確保するという提案がなされたところですが、学校改築のめどが立たないことに変わりがありません。

区民に対するおむつ代補助や敬老祝い金、障がい者タクシー券など区民の施策の削減も、現在は一部復活したものもありますが、これらの削減は区民から大きな批判が寄せられました。

その第三は、イケバスなど観光客誘致にばかり力をいれ、区民の足となるコミュニティバス実施は一度は検討するといったのにこれを行わず、公営住宅の建設も拒むなど、困っている区民の要求に背を向けてきたことです。また消費税増税やインボイス制度の導入、騒音や落下物の危険のある羽田新飛行ルート、高齢者医療費の負担増など、国による区民の負担増などに反対しない、その姿勢も問題でした。本来地方自治体は、国の悪政から住民の暮らしを守る防波堤になること、住民の暮らしと福祉を良くする、という自治体の本来の仕事をすすめることであるのにです。

以上述べた理由から、豊島区名誉区民条例第二条でいうところの称号を受けるにふさわしいものと考えられず、同氏に対する名誉区民の称号を贈ることに反対するものです。

以上で討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。

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