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第4回定例会/最終本会議討論 儀武さとる 《豊島区にコミュニティバスの導入を求める陳情》ー採択を求めるー
2022.12.06

 私は日本共産党豊島区議団を代表して、ただいま議題されております4陳情第32号 豊島区にコミュニティバスの導入を求める陳情ついて、不採択とすることに反対し、ただちに採択することを求めて討論を行います。

 この陳情は、「IKEBUS(イケバス)が池袋駅周辺を運行してから3年になります。この3年間毎年、1億数千万円も税金を投入して、乗客が乗っていないイケバスが走っているのを見ると、大変もったいないと胸を痛めています。聞くところによると、イケバス数台に不具合が発生し、10月中旬頃から2台の車両で40分間隔の東ルートのみ運行しているそうです。これで、公共交通といえるのでしょうか。区民の生活の足としてのコミュニティバスが必要です」として、区民から提出されたものです。

 イケバスは池袋駅周辺と四つの公園を回遊し、訪日外国人客を呼び込むツールとして導入したものであります。乗客が乗っていない、ガラガラのイケバスを区民が見て、億単位の赤字をだしつづけたら、不安に思うのは至極当然なことです。しかも、新型コロナウィルス感染症の収束の見通しがつきません。 いま求められているのは新型コロナ感染症と物価高騰から、区民のいのちとくらしを守り、交通不便地域の高齢者など区民の生活の足を確保することです。以下、採択すべき理由について述べます。

 わが党区議団は、これまで高野区長の訪日外国人や観光客を呼び込む街づくり、文化やにぎわいを口実に池袋駅を中心とした大型開発、ハコモノづくりに莫大な税金を投入するより区民のくらし、生業を守ることを優先すべきと指摘してきました。

 2019年度は、イケバスにイニシャルコストとランニングコスト合わせて総額5億円以上もつぎ込みました。当初、イケバスの乗客は1日1,100人、月に33,000人の乗客を想定し、年間180万円の黒字を見込みました。この3年間、実際に目標を達成した月は一度もありません。そのため赤字を補填するため、2,020年度は補正予算で1億4465万円余を計上し、合計で2億132万円となり、運行経費は当初予算の約3.6倍に膨らみました。その後は、毎年当初予算で、1億数千万余を計上しています。わが党は、乗客や収入の過大な見込であることを繰り返し指摘しましたが、まさにそういう事態が進行しています。

 さらに、東池袋一丁目市街地再開発事業において、区は「イケバスの車庫スペースなどの運行拠点となる場所や整備」と言って、今後も多額の税金が、イケバスのために投入されることになりかねません。 イケバスにこれだけ多額の税金を投入するのなら、本気でコミュニティバスの導入に踏み切るべきであります。

 区は、平成19年から平成22年度にかけて、コミュニティバスの導入を本格的に検討したとしています。また「特定整備路線の進捗などを鑑み、区民の足を確保する観点で、引き続き検討を進めている」と説明しましたが、巣鴨・駒込間の補助81号線の進捗状況は、用地取得状況が32%であります。いつ整備が完了するのかわかりません。事実上、導入しない、と言っていることと同じであります。

 委員会審査では、公明、都民ファーストの会・民主、自民、立憲としまは、「安全で安心できる街づくりを進めるために区民と高齢者に優しいコミュニティバスの導入自体は、全く同意する」「特定整備路線の基盤整備の進捗状況を含めて」「願意は、とてもよく分かるけど」などと言いつつ継続審査を主張しました。無所属の会と日本共産党は採択を主張しましたが、採決の結果、賛成少数で継続審査となりました。

 区はイケバスの評価委員会を一度も開催しないで「イケバスはまちの価値を高める」と繰り返しますが、区民の願いは、「街の価値」ではなく、日常生活である通院や買い物、お風呂に行く、生活するために必要な交通機関、コミュニティバスなのです。

 よって、4陳情第32号 豊島区にコミュニティバスの導入を求める陳情は、ただちに採択することを求めるものです。

 以上で討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。

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